子どもにとって「安心して過ごせる」「自分で選べる」「自分の力で挑戦できる」そんな風に思える場所はあるのでしょうか?「お家」と「学校」「習い事」だけで十分でしょうか?
ある日、居場所に訪れる子どもたちに質問したことがあります。
「学校にいる時と、ここにいる時って違いはあるの?」多くの子どもが「全然違う!」と、すごい勢いで答えました。何が違うのでしょうか?
さらに聴いていくと、気を使って人に合わせていたり、学校では浮いたり目立たないように、猫を被っていたりと、怒られないようにちゃんとしていたり。
仮面をかぶって「その場に期待」や「周りから」外れてしまわないように気遣いをして過ごしている姿が見えました。多くの大人と同じで、疲れるよね。ほっとできないなぁ〜と、思い、どこか自信の持てないでいる子どもたちの姿を感じました。
お家や学校で、「子どもだから」とあまりさせてもらえないことに挑戦できる経験が「自信と誇らしげな」姿をつくる
「あ〜!服が汚れる」「危ない!」「喧嘩はやめましょう」そんな風には直接は言わないまでも、大人が反射的にそんな顔をしたら、子どもたちは敏感にそれを感じ取って「やめる」か「反発」します。
子ども第三の居場所では、子どもたちが何かをやってみようとする時(やってみたいのにやろうとしない時)、生命の危険と自己肯定感が大きく傷つく程に心の危険に晒されない限り、やってみるよう促し、見守ります。そうしていると、、、。
子どもが作る子ども食堂では、イキイキと自信に満ちた、子どもたち本来の姿が現れてきます。例えば、包丁を使うにも「してもいいのか?こんな感じでいいのか?」「家ではダメと言われてしたことないけど、、、」はじめは恐る恐る。やり出したらイキイキとうれしそうに挑戦を拡大させていきます。
驚く場面も多い。低学年の子どもが!?当たり前の顔をして、ネットで調べて、生の鶏肉を味で漬け込んで唐揚げ。米の量を測って炊飯。ひらめきでのオリジナルスイーツ作り。配膳から掃除まで。自分たちのこととして、イキイキと遊ぶかのように取り組んでいます。

家で自分から料理や家事を手伝ってくれるようになった。という声も多い。
特に驚いたのは「意外にいろんな経験が身についているんですね。」と、聴かせていただいたお話で、ある子が友だち同士のもめごとに巻き込まれた。大人に手を借りる前に、根気よくそれぞれのきもちや感じていることを聴き、伝えて調整したそうで、結果「自分で解決した。」とのこと。
思い返すと、子どもたちは自分の主張や個性を発揮しはじめると、揉め事や葛藤も増える。そんな時、大人は見ているがすぐに解決に乗り出す訳ではない。子どもたちでできることを信じて、まどろっこしくても、自分たちでなんとかするよう促している。
結果、居場所では様々なひと同士の葛藤やトラブルを解決する場面を経験している。(当事者でないまでも目にしている)それで、経験値が同級生に比べて非常に高いと感じる。それは、ここで過ごしているおかげ!と言っていただいた。言われてみれば、ここでは、多くの子どもが困ったら大人も頼るが、口出しが早いと嫌がる。
「できることは自分でする」「どこも同士でなんとかしてみる」主体的な姿が身についている。

ここには、大人気ないおとながいる!
大人も子どもも、ひとりの人として、多様で対等がいい。
時々、子どもから「ここの大人は大人気ない!」と半ばうれしそうに言われる。
子ども扱い、大人扱いせず、個々のひととして過ごしている。どうしてそう思うの?と聴くと、「あまり遊んでくれなかったり、本気で勝ちにくる、手加減してくれない」(実はしてるんだけど)
「手伝ってほしいのにそんなに手伝ってくれない」(本当に困ったら助けるけど)「他の大人があまりしないようなことをする」(?)
子どもたちは、大人の影響で自分のことをどう認識するかやものの味方を形成する。(ダメな子/自分には無理/できるかも?)だから、家と学校で出会う大人の考えだけではなく、様々な大人やひとと触れて、多様な個性や価値観があることを知って、自分なりの価値観を育てる材料にして欲しいと願っている。
この記事では、これまでの一般社団法人根っこわーくすのあゆみをまとめました。


《 沿革 》 活動のあゆみ
■ 2000頃〜 法人設立の前身
人間関係トレーニングを提供する教育ファシリテーターとして、学校への講師派遣や野外教育の運営、企業研修などに取り組む中で、様々な子どもたちとの出会い、ひとの成長には「自己肯定感(根っこ)」が最も大切だという考えを強めた。反面、自己肯定感が傷つき育っていない現状に問題意識を持つに至る。

■ 2017 一般社団法人 根っこわーくす設立
子どもをとりまく様々な課題は、人間関係スキルの向上だけで解決できるものでない。「なんとかしたい」社会課題は、自己肯定感が育っていない(傷ついている)ことが本質的な課題である。
という気づきから、「自己肯定感を育むこと」を目的に法人を設立
●2017.11月 大阪府交野市私市に事務所を開設
■ 2018 「週末いどこ塾」をスタート
〜自己肯定感を育むための最初の居場所事業〜
自分が自分でいられる「居場所」× 生きるチカラを育む「 塾 」として、「いどこ塾」をスタート。(毎週末日帰り/毎月1回宿泊)
自由あそびの中で、自分の「してみたい」を自分で決めて「やってみる」。甘えたいときには「甘える」。多様なひとと関わって、ひとの多様さを体感する。困ったら助けてもらい、「共に楽しく」過ごす工夫をする。そうして、「自分は自分で大丈夫」と、「自分を信じる力」「ひとに助けを求める力」を体感的に学ぶ塾×ココロの居場所。

■ 2020 「交野こそだちベース tomos」 を開設
〜拠点取得・事務所移転〜
0歳から15歳までの子どもたちが、多様な個性を大切に、イキイキと育つための場所として2月に取得、3月に開設(かたのの森のようちえん いしころえんと共に共同運営)
「tomos(ともす)」という名前には、「友」と「共」に「素」(自分のまま)いられる
「巣」(居場所)、ここで「自分のこころに火を灯そう!」という願いが込められています。
そんなこそだち(子育ち、己育ち)の場として、交野市に子どもの居場所が誕生しました。

●2020.3 「交野こそだちベース tomos」取得、そして「休校で困ったらtomosにおいで」
拠点取得と同時にコロナ禍で一斉休校がはじまる。まだ整っていない中、緊急的対応としてtomosにて子どもたちの受け入れを実施。
●2020.6 フリースクール「いどこスクール」開校
新型コロナウイルス感染症が少し落ち着き学校が再開。それをキッカケに学校に行っていない子どもたちの存在が浮き彫りとなり、目の前にいたそんな子どもたちの居場所となるフリースクールを開校。
●2020.6 放課後の居場所 ワンコイン「放課後いどこ塾」をスタート
●2020.6/8~7/27 クラウドファンディングを実施
子どもたちが安心して過ごせる居場所整備のため、クラウドファンディングで、478名のサポーターから587万5千円の応援寄付が届き「交野こそだちベースtomos」の環境整備が実現。
■ 2021 自己肯定感が育つための活動を4つの事業部門に拡充

1、子どもの居場所(自己肯定感が育つ居場所づくり)
2、フリースクール
3、子育て支援(就学前の親子の居場所づくり)
4、おとなの学び(講師派遣と啓発活動)
●2021.10 放課後「子どもがつくる!ワンコインいどこ食堂」スタート
子どもたちが、自分たちでつくってみんなで食べる「子ども食堂」。食を通して、「やってみたい」を「やってみる」。家でもない学校でもない場所で関わり合い、互いに受け止め、受け止められて過ごせる放課後として週1回開催。子どもたちの経験を豊かにすることで「自分を大切に思う感覚(自己肯定感)が育つ」居場所としてスタート。

■ 2022 日本財団 「子ども第三の居場所 交野拠点」の助成対象に採択決定
■ 2023 交野こそだちベースtomosのリニューアル改築
● 2023.5 「交野こそだちベースtomos」を、日本財団の助成を受けて再整備
● 2023.10 「子ども第三の居場所 交野拠点」としてリニューアル完成
● 2023.11 日本財団 子ども第三の居場所 交野拠点
「交野こそだちベースtomos」の運営をプレスタート

■ 2024 「交野こそだちベースtomos」運営を本格スタート
●2024.4 放課後、学校からtomosへの無料送迎を開始 (交野市内対象)
●2024.4 「たねおくりマンスリーサポーター」制度を開設
■ 2023〜2026 子ども第三の居場所
「交野こそだちベースtomos」運営
●2023.11 放課後、学校からtomosへの無料送迎 (交野市内対象)
●2026.3 日本財団 「子ども第三の居場所 交野拠点」の助成事業終了
■ 2026 子ども第三の居場所
「交野こそだちベースtomos」を存続への挑戦

