一般社団法人 根っこわーくす

「自己肯定感(根っこ)が育つ居場所」づくりを通して「自分を信じるチカラ」「ひとに助けを求めるチカラ」(幹)が育つ支援をします。誰もが当事者となって、多様な個性を活かしあえる社会(森)の実現を目指します。

日本財団

活動への想い

《活動への想い》「ひとの根っこ(自己肯定感)を育むために」〜3周年のつどいを迎えて〜

更新日:

2020/ 6/ 7

■わたしたちにはわかったことがあります

 根っこわーくすを立ち上げて3年。いどこ塾を続けて2年。その中で、改めて実感しました。
 それは、子どもの育ちにとって、夢中になって『あそぶ』経験、甘えたいときに『あまえる』経験が大切だということです。

 その経験こそが、根っこわーくすが目指す「自分は自分で大丈夫」という人としての『根っこ(=自己肯定感)』を育みます。


 そのことを実感したのは、活動の中での子どもたちの姿や変化していく姿からです。


「次も絶対来るねん!」と『力強い声で伝えに来る姿』
しんどさやイライラを抱える子が徐々に『本来の子どもらしさ、やさしさを表現していく姿』
自信なさげな子が『力強くやりたいことを表現し、自分のチカラを発揮していく姿』
 当日をたのしみに『荷物ややりたいことを自分で準備してくる姿』など、様々な場面で感じ取れました。
 

 また、保護者の方のこんな声からも実感しています。
「いどこ塾に行くと子どもがイキイキと帰ってきます。それは、好きな事をとことん納得行くまでやり、人とは少し違っていてもひとの目を気にしないで個性を発揮できるからなんでしょうね。今では、大切な居場所になっています。」

という言葉をいただきました。

■大切なのはココロのままに『夢中になって』あそぶこと

 いどこ塾では、自分がやりたいと思うことを自ら選んで、思う存分やり、飽きたらやめる。おとなから指示や命令、禁止をされない中で、ココロのままにあそび続けることができます。

 『夢中になってあそぶ』

これこそが、子どもの育ちにとって大切な『あそび』です。あそびは、自分がやりたいことを主体的にやることですから・・・

結果的には、カタチに残る成果は何も無いかもしれません。
 しかし、内から沸き起こる「何だかやってみたい」ことをココロのままに
『やっている過程』そのもの
が、その子のココロとカラダを満たしていきます。

■大切なのは『夢中になれる世界』が拡がること

 子どもたちが、自分自身のチカラで自分の人生を舵取りし、自分の幸せを切り拓いていくために必要なのは「できないかもしれないけど、やってみたい」という感覚です。
 しかし子どもたちは常に、 上手いか下手か?正解か不正解か? 怒られはしないか? と、まわりの評価を気にして自信なさげです。そして「無理!」「めんどくさい!」とチャレンジをためらいがちになっています。
 そんな子どもたちの、出来ないと思いこんでしないこと、やりたくないと決めつけてやらないこと、本当はやってみたいけど失敗を恐れてやらないことが、「やってみようかな!」に変化するには、その挑戦を面白がってくれる存在や環境が欠かせません。
 

 その環境づくりに必要なのは、自分とはちがう経験や感覚をもつ仲間と出会い、一緒にあそぶことです。時にはおとなからのそそのかしが必要かもしれません。

「夢中になれる世界」の拡がりが、子どもの世界を拡げます。
それを可能にするのが『あそび』です。

■絶対的に足りていない、『あそぶ』こと『あまえる』こと

 大切なことが見えてくると同時に、子どもたちにとっての課題も見えてきました。それは、、、

夢中になって自由に『あそぶ』環境や、家族や他者に『あまえる』経験が絶対的に足りていないということです。

「危ないから、やめとき!」「いつまでも遊んでないで、勉強しなさい!」
「もう小学生でしょ!いつまでも甘えないで!」「えらいねぇ。何でも一人でできて!」・・・
 おとなの一方的な思いによる、「子どものために」「あなたのために」「良かれと思って」投げかけられる言葉や関わりが、「冒険する」「失敗する」「ケガする」「あまえる」・・など、子ども自身が「自ら選び」「気づき」「成長する」機会を奪っています。

子どもは育ててあげるから育つのではありません。
子ども自身が自ら育つチカラをもっています。
おとながすることは、それを信じ、見守り、待つことです。

教えることではありません。
子どもと共に学び合うことです。

■本当の問題は『子育て観』に確信がもてないこと

 おとなが子どもの経験機会を奪っていることで、子どもに必要な経験が不足しています。
 その現状を引き起こしている本当の問題は、多くのおとなが

「子どもの育ちにとって大切なことは何か?」

という自分の子育て観に確信をもてないまま、子育てをしていることです。
 

 たとえば、「危ないから、やめとき!」

「いつまでも遊んでないで、勉強しなさい!」

と、つい感情のままに怒ってしまい、「本当にあれで良かったのか?」と後から問い直すことはありませんか?


ゲームをし続けている我が子に対して…学校に行きしぶる我が子に対して…かける言葉に迷うことはありませんか?


 それぞれのシチュエーションに対して、「どんな言葉かけがいいのか?!」という『手段』ではなく、その言葉かけが「何のためのものなのか?」という『目的』とつながったもので在りたいものです。その時、確信を持った『見方』を持っていないと、その場しのぎの対応になってしまいます。

「私が子育てで大切にしたいこと!」の確信は、決してひとりだけで持つことはできません。
「子育て観」は、ひとと触れ合い、語り合う中でこそ培われます。
共に学び合う中で変化し、豊かになっていくのです。

■わたしたちは創っていきます

 わたしたちは、子どもたちが『自分の人生のものがたりを「主人公」として生きること』を願います。

子どもという一本の樹が、大地にしっかり根を張り、
揺れながらもしなやかに立つ樹として育ってほしい。

 そのために、
子どもたちには、夢中になって『あそぶ』ことと、
甘えたいときに『あまえる』ことが必要です。
 また、おとなが自分の『子育て観』に確信をもち、わたしたちの「子育て観」を育て合うことが必要です。


 それは、一人っきりで、一つの家族だけで出来るはずはありません。
つながりの中でしか出来ません。
わたしたちは、子どもにとってもおとなにとっても

「自分は自分で大丈夫」という『根っこ(=自己肯定感)』を育み合う環境を創っていきます。

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